セキュリティソフトのグローバルリーダーであるアバストは本日、調査結果を発表し、他の子どもが写真に写っている場合、事前に必ずその保護者からSNSに投稿する許可を得ていると回答した日本人は10人に1人(9.71%)で、調査対象国の中で最も低い割合であることを明らかにしました。他国でも、SNSに投稿する前に保護者の許可を取ることは一般的とは言えず、「事前に必ず保護者の許可を得る」と回答した人は世界平均でも30%未満でした。他国と比較して日本人のSNS上でのマナーが特別に悪いというわけではありません。18歳未満の子どもの写真を本人の了承を得ずにSNSに投稿したことがあり、顔をぼかしたり隠したりしなかった、と答えた日本人は8.19%で、SNSへの子どもの写真投稿に対する意識が比較的高いことがわかります。3歳未満の子どもの写真を投稿する際、顔をぼかしたり、隠したりせずに投稿したことがある人も9.9%と、他国と比べて最も少ない結果となっています。子どもの写真をネット上に投稿する際、日本人が最も懸念しているリスクは「子どものプライバシーの侵害」でした。また、子どもの写真が家族や友人以外に共有されたり、性犯罪者を含む不審者に見られたりすることも危惧しています。アバスト ソフトウェア ジャパン 社長である藤本善樹は次のように述べています。「新型コロナウイルスの影響で、自宅で過ごす時間が増え、コミュニケーションツールであるSNSの利用時間が増えています。子どもに関する情報や写真を投稿する前に、『シェアレンティング』のリスクを認識しておくことが重要です。一度インターネットに投稿されたものは『デジタルタトゥー』となり、永遠にネット上に残ることを認識しなければなりません。可愛いから、とSNSに投稿した写真がサイバー犯罪者に悪用され身代金を払わなければ個人情報を公開すると脅迫される『Doxing(晒し)』の被害に遭うことも考えられます。また、子どものプライバシーと将来に与える影響、子どもが成長したときにどのように感じるかを考慮するようにしましょう。SNSでは、完全非公開や制限付き公開での投稿を推奨します。」
「シェアレンティング」とは、共有を意味する「シェア(Share)」と子育てを意味する「ペアレンティング(Parenting)」を組み合わせた造語で、親がSNS上で子どもに関するコンテンツを共有することを指します。SNSに子どもの写真を投稿することは一般的になりつつありますが、この行動は子どもを危険にさらす可能性があるだけでなく、一度公開された写真は「デジタルタトゥー」となり、一生消すことができないため、子どもの人生に長期的な影響を及ぼすこともあります。
アバストからのアドバイス
- SNSのプライバシーポリシーを確認する
- 個人情報が特定できる情報は公開しない
- 公開範囲を意識する
- 「子どもが将来これを見たらどう思うか?」を意識する
- 子どもの写真を投稿する影響を考える
- 他人の子どもが写った写真は投稿しない
- フィッシング対策が可能なアンチウイルスソフトを導入する
本調査について
本調査は、アバストがTolunaに委託し実施したもので、日本国内の保護者525人を対象に2020年2月に実施されました。