デジタルセキュリティおよびプライバシー製品のグローバルリーダーであるアバストは本日、カナダに本社を置くデジタルアイデンティティ (ID) および認証ソリューションのグローバルプロバイダーであるSecureKey Technologies（以下、SecureKey）の買収を発表しました。SecureKeyの次世代プライバシー強化サービスは、消費者の個人情報が他者に提供される際に、明確な同意を担保することで、本人による管理を強化しつつ、オンラインサービスへのアクセスを簡素化することを主眼としています。

デジタルID専門の調査会社であるLiminal（旧OWI）によると、ID、認証および再利用可能なデジタルIDサービスは、年平均成長率68.9%で2027年までに2660億米ドルに成長し、この成長の大部分を民間企業が担うと予測されています。SecureKeyは、ユーザーの本人確認情報をデジタル上でも安全に利用できるよう、政府、医療、金融口座開設などの重要なオンラインサービスやアプリケーションへのアクセスを簡素化することをミッションとしています。

SecureKeyが開発したサービスとして、世界初の分散型デジタル本人確認ネットワーク「Verified.Me」や、政府関連のオンラインサービスやアプリケーションへのログインを簡便化する「Government Sign-In by Verified.Me」があります。両サービスはカナダでの独占ライセンス契約に基づきInterac Corp.によって提供されており、これらのデジタルIDソリューションは年間2億件を超えるデジタルID取引を世界中で実行しています。今後もこれらのサービスへの投資を続け、DID（分散型識別子）や検証可能なデジタル個人情報など、新たなデジタルID標準やソリューションをサポート、ユーザー中心な管理を可能にするデジタルネットワークやプラットフォームをさらに強化していく予定です。

アバストのCEOであるオンドレイ・ヴルチェク（Ondřej Vlček）は、次のように述べています。「我々は、インターネット上での新たな信用の概念を支える、グローバルで再利用可能なデジタルIDの枠組み構築を目指しています。ユーザーのデジタルIDは多くのデジタルサービスを実現する上で必須の要素であり、SecureKeyの成功はその需要の高まりを反映しています。SecureKeyは、アバストが以前から取り組んできたアイデンティティ分野において補完性が非常に高く、この買収により、イノベーションを加速して、ユーザー、企業、政府が共通で抱える課題をユーザー重視でグローバルに解決していくためのサービス拡充を図っていく予定です。我々は、個々の状況に関わらず、すべての人にご利用いただけるサービスを開発していくことを決意しています。」

SecureKeyのCEOであるグレッグ・ウォルフォンド（Greg Wolfond）氏は次のように述べています。「SecureKeyは、デジタル時代のIDと個人情報の共有に対する消費者と組織のアプローチを変革することを目指しています。当社は政府、金融機関、企業との緊密な連携により、消費者が安全にデジタルサービスを利用できる、信頼性の高い成熟したアイデンティティネットワークを確立しています。アバストと力を合わせることで、すべてのインターネットユーザーがより信頼できる未来をより早く築くことをミッションに、当社の技術をさらに改良していきます。」

アバストのジェネラルマネージャー兼アイデンティティSVPであるチャールズ・ウォルトン（Charles Walton）は、次のように述べています。「SecureKeyのハイブリッド型フェデレーション、銀行ID、分散型技術の高い成熟度と、カナダで金融サービスや政府系ユーザーやパートナーに強力なサービスを提供してきた実績は、アバストの地理的拡大にとって重要な要素です。欧州で2022年以降、官民合同のデジタルIDインフラへの投資が続く中で、アバストは一般消費者、デジタルビジネス、政府向けのデジタルトラストサービスの共同プロバイダーとしてふさわしい位置づけにいると考えます。我々は、デジタルIDをユーザー中心、シンプルかつポータブルにし、より信頼性の高いデジタル体験と、人々と企業の両方に利益をもたらすオンライン体験の提供を目指しています。」

2022年4月上旬に買収を完了し、第2四半期にSecureKeyの製品の一般提供を開始する予定です。