デジタルセキュリティおよびプライバシー製品のグローバルリーダーであるアバストは本日、デジタル・シチズンシップ(デジタル時代における行動規範)の動向に関する調査結果を発表しました。約9割(88%)の日本人が、インターネットのことで誰かに助けを求める際、相手の負担になっていないかを懸念していることが明らかになりました。一方、ほかの人のインターネット利用を助けたことがある人の多くは、「人の役に立ててうれしい」(41%)、「評価されていると感じる」(41%)、「満たされた気持ちになる」(23%)と好意的に捉えており、双方の受け取り方に大きなギャップがあることがわかりました。
インターネットに対する自信は年齢とともに低下
本調査によると、仕事以外の目的で最もインターネット上で多くの時間を過ごしているのは18〜24歳で、51%がインターネットを1日3時間以上利用しているのに対し、55〜64歳は35%、65歳以上は37%にとどまっていることがわかりました。また、インターネットの利用時間とインターネットに対する自信には相関関係があることも明らかになりました。日本人の28%が「デジタルに自信がある」と回答(世界平均:70%)していますが、年齢層が上がるにつれ、この割合は低下傾向が見られます。また、デジタルに対する自信がないと答えた人のおおよそ半数(49%)は、自信が持てないことを心配していると回答しています。
多くの人が困っているインターネット上の作業としては、PC上の問題の対処や更新(30%)、プライバシーの設定(28%)、ソフトウェアやデバイスの選定・購入・インストール(25%)があげられました。
親や祖父母のインターネット利用を懸念
60歳以上の40%は、家族にインターネット上での作業を助けてほしいと思っており、実際インターネットについて人を助けたことがある人のうち、45%が親を助けたと回答しています。
また、回答者の約4割(39%)が親のインターネット利用、半数以上(52%)が祖父母のインターネット利用を心配しています。
デジタルへの懸念が人々をオンラインから遠ざけている
インターネットを利用する際に懸念されるリスクを具体的に見ると、自分自身の被害を懸念しているリスクと、自分の親・祖父母の被害を懸念しているリスクが、それぞれ異なることも明らかになりました。回答者自身の被害を懸念しているサイバー脅威としては、クレジットカード情報などを含む個人情報の不正利用(37%)、続いてパスワードの盗難やSNSのハッキング(35%)が挙げられています。一方、親や祖父母の被害を懸念しているサイバー脅威として、詐欺メール(親:44%、祖父母:28%)を懸念している人が最も多いことが明らかになりました。
アバスト ソフトウェア ジャパン 社長である藤本善樹は、次のように述べています。「ネットショッピングの急速な普及や、金融機関が支店の閉鎖を進めてオンラインバンキングに移行するなど、社会インフラも含めてインターネットへの依存がますます高まる中で、世代による格差が広がっていくことは大きな懸念です。今回の調査によると、助けを必要としている多くの人たちが遠慮しすぎている状況が見られるため、インターネットの利用に自信がある人はより積極的な声掛けを、また自信のない人はもっと気楽に助けを求めてみることで、ネット利用が安全・安心に広まっていけばと思います。アバストも、高性能な無料アンチウイルスや積極的な情報発信を通じて、引き続き貢献していければと考えています。」
調査方法
本調査はアバストがYouGovおよびForsaに委託し2021年6月15日~6月27日に実施したもので、日本国内の回答者1,011人を含む、世界17カ国の16,147人のオンラインユーザーを対象に行われました。調査は、アルゼンチン、オーストラリア、ブラジル、チェコ共和国、フランス、インド、日本、メキシコ、ニュージーランド、ロシア、スロバキア、スペイン、イギリス、アメリカでYouGovに、オーストリア、ドイツ、スイスではForsa委託し、実施されました。