セキュリティソフトのグローバルリーダーであるアバストは本日、日本国内の20~69歳のインターネット利用者1,000人を対象に行ったインターネットリテラシーに関する調査結果「アバスト デジタルリテラシー調査:ファミリー版」を発表しました。調査によると、日本人の4人に1人が自分の子どもの写真をモザイク無しでSNSに投稿した経験があることがわかりました。中でも、20代女性の8割がモザイク無しでSNSに子どもの写真を投稿したことがあると回答しています。また、30代男性の4人に1人は、SNSに投稿した写真を子どもから「やめてほしい」と言われたことがあるという結果も明らかとなりました。
日本人の38%がSNSで非公開にしているコンテンツはない、あるいは非公開が何の意味なのか知らないと回答し、すべてのSNSを公開設定にしています。また、32%はSNSのうちいくつかのアカウントを非公開設定にしていると回答しています。SNSを非公開に設定していない人のうち、63.8%は見られたくない情報はSNSで発信していない、15.9%は非公開にする理由がない、21.3%は設定するのが面倒、あるいは非公開設定の方法がわからないと述べています。
子どもの写真をSNSで公開することで、家族や友人への子どもの成長報告や、子育てに関する情報交換などのメリットが得られます。その一方、一度子どもの情報や写真をインターネット上に公開すると、元の情報や写真が削除された後もインターネット上から消すことができない「デジタルタトゥー」のリスクもはらんでいます。今回の調査で、約30%の日本人はネットに上げた写真や情報が消せないことを知らないと回答したことも明らかになりました。特に50~60代女性については、約5割がネット上に投稿した情報が消せないことを知らないと述べていることもわかりました。
アバストの脅威インテリジェンスディレクターMichal Salatは以下のように述べています。「米女優グウィネス・パルトロウさんが娘アップルさんとスキー場で一緒に撮った写真を本人の許可なくSNSに投稿したことをきっかけに、親が自分の子どもの情報や写真をオンラインでシェアする『シェアレンティング (Sharenting)』という言葉が世界的に注目を集めています。シェアレンティングとは、共有を意味する『シェア (Share)』と子育てを意味する『ペアレンティング (Parenting)』を組み合わせた造語です。子どもの写真や情報を過度にネット上で公開してしまうことで、将来、親と子どもの関係を損なう可能性があるだけでなく、子どもの将来にも悪影響を及ぼしかねません。」
機密情報を共有する日本人
調査では、保護者が子どもを危険に晒しているだけでなく、出身地、メールアドレス、職場、家族構成などの機密情報をオンラインで共有し、自分自身も危険に晒していることもわかりました。これにより、攻撃者に個人情報を悪用され、同僚や親戚を装って、フィッシングリンクをクリックさせてログイン情報を盗み取るスピアフィッシングという攻撃の標的になる可能性があります。
今回の調査結果で、SNSに写真や個人情報を投稿する行為に伴う危険性を理解していない子育て世代の親が多いことが判明しました。写真の情報から犯罪者や変質者に子どもの居場所を推察されてしまったり、将来的に写真がきっかけで子どもがいじめに遭う可能性もあります。また、子どもの名前や誕生日などの個人情報が写真とともに流出することで、メールアドレスやアカウント名が推察され、SNSアカウントを乗っ取られたり、子どもが「Doxing(晒し)」の標的となり、身代金を支払わなければすべての個人情報を公開するとサイバー犯罪者から脅迫される危険性もあります。また、フィッシング攻撃の標的になるリスクもあります。
もちろん、SNSに投稿するという行為自体は問題ではありません。しかしながら、保護者は、自分と家族のプライバシーを保護するために適切な対策を講じ、SNSに子どもの情報や写真を投稿する前に個人情報をネット上に公開することで起こりうる結果を認識しておく必要があります。
アバストからのアドバイス
「アバスト デジタルリテラシー調査:ファミリー版」について
本調査は、アバストが楽天インサイトに委託し実施したもので、日本国内の20~69歳のインターネット利用者1,000人を対象に、2019年5月にインターネットによるアンケート調査として実施されました。
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